くろみつ劇場

※ じてんしゃぬまのなかにいる ※

『子育てと趣味の両立』ぅ~???んなもん出来たら苦労しねぇ!

このブログはロードバイクAdvent Calendarに参加しており 9日目の記事です

adventar.org

 

 

 

SNSを開けばやれグルメライドだ忘年会だ、キャンプツーリングだブルベだ飛行機輪行だ、PBPだフジヒルだキャノンボールだグランフォンドだ。

 

まぶしいくらいにキラキラしているタイムラインを眺めながら、ベビーベッドに置くととたんに泣き出す赤ちゃんをおんぶ紐で背負いながら、30分も一時間も部屋の中をぐるぐるぐるぐるぐるぐる回りながら一生自分には自由に遊べるときは来ないのかと思考もぐるぐるぐるぐるぐるぐる回りはじめる深夜2時。

 

趣味に使える時間があるんだったら一時間でも仮眠をとりたい。

 

このブログはそんな君のために書いたエールだ。応援歌だ。

そして必ず訪れる「あのとき苦労して良かった」というときが来ることの未来予知だ。祝福のことほぎだ。

 

大丈夫。君はひとりなんかじゃない。

 

 

 

21年前 長男0歳

オギャーと産声をあげたのは分娩室に入ってから実に65時間が経過したときだった。速い人なら自転車で1000㎞も走れる時間をかけて、出てこようかもう少しここにいようかとやきもきさせる姿は「俺は一筋縄にはいかないぜ」というアカチャーンからのメッセージにも思えた。

 

実際彼は一筋縄にはいかなかった。三交代の看護師である妻は一年間の産休育休をとってくれたものの、職場復帰して数ヶ月たったあとは再び三交代の戦場へと帰っていった。

 

ここらへんの記憶はあまり残っていない。おんぶ紐で背負ったままうつぶせにソファーにもたれかかって気絶している姿を準夜勤帰りの妻に発見されたことだけ覚えている。長男はその状況でもスヤスヤ寝ていた。

 

いま考えてみてもどうやって仕事と育児と家事をこなしていたのか分からない。もちろん趣味なんてものは無く、友人とは疎遠になり、仕事中に吸うタバコだけが心底安らげる瞬間だったような気がする。

 

もう二度と経験したくないような気もするが、辛かった記憶はすべて忘却するので楽しかった記憶だけ残っている、ような気がする。

たべもの机に塗りたくるの楽しいね

18年前 長男3歳次男0歳

次男はわりとすぐオギャーと産まれてきたような気がする。

「僕はお兄ちゃんと違って手がかからないから安心してよ」というメッセージにも思えた。もちろんそんなことはなかった。

 

でも手はかかるもののそれほど大変でもなかった。やっぱり長男のときはこちらも経験値が圧倒的に足りなく、小児湿疹とかで皮膚がぐちゃぐちゃになったりすると妻もノイローゼっぽくなったものだが、2番目ともなるとなにかあっても経験が生きた、ような気がする。

 

実際のところは辛い記憶は忘却の彼方にいっているだけかもしれない。この時期もうっすらと楽しかった記憶しか残っていない。

やっぱりたべもの机に塗りたくるの楽しいね

 

この時期も趣味らしい趣味はもっていないし、もつこともできなかったような気がする。ただ実家の近くに土地を買って家を建てたため、保育園のお迎えとかを実家に頼りやすくなって、すこし余裕が出てきたように思える。

どこまでもいけるね

 

子どもを見ていると自分が子どもだったころの記憶がタイムカプセルみたいに次々と掘り返されていくのが面白かったことだけ覚えている。

 

17年前 長男4歳次男1歳長女0歳

3番目ともなれば親としても慣れたもので、とりあえずお兄ちゃんたちに踏まれなければいいやとローテーブルの下によく放置されてスヤスヤ眠っていたのを覚えている。

 

家族でもよくお出かけしていたかもしれない。うっすらとしか記憶がないが、写真で残されている。証拠写真を撮っといて本当に良かった。

 

あいかわらず育児と仕事と家事に忙しかったはずだが、このあたりは辛かったことは何もなくて楽しかった記憶しか残っていない。忘却とは神が人間に与えたもうた最大の贈り物だ。

雑に妹を机に転がしているの楽しいね

 

12年前 長男9歳次男6歳長女5歳

趣味らしい趣味と言えばゲームとマンガだけだったが、この年に状況が変わった。東日本大震災でガソリンがなくなってしまい、何十年ぶりに自転車に乗って通勤したのが意外と面白かったのだ。すぐはじめてのスポーツバイクとしてキャノンデールのMTBを買うと、その翌年にはキャノンデールのロードバイクCAAD8を買うほどにはまってしまった。

大学生時代には麻雀とマジックザギャザリングにはまっていたが、実に何十年ぶりにできた趣味である。

 

どこまでもいけるね

 

ただ育児と仕事と家事に加えて、PTAと地域の子供育成会と学童保育の保護者会と保育園の保護者会というものがでてくるわ、会長とかそういうものにならなくてはいけないわで個人的な自由時間はほぼなかったと思う。

 

翌年には長男と片道35㎞もはなれたところにあるキャンプ場にキャンプツーリングに行っている。そういえば楽しかったのか辛かったのか11年間聞いたことなかった。こんど山形に帰ってきたら聞いてみよう。

 

辛かったんじゃないかな

 

9年前 長男12歳次男9歳長女8歳

妻の650cのロードバイクをヤフオクで落札した。FELTのカーボンバックのアルミフレームでコンポもアルテグラとデュラエースでいいやつをつけていた。一緒にサイクリングしたかったのである。

長男用に650cのロードバイクを海外通販で買った。いまの相場から考えるとビックリするくらい安く買えた。一緒にサイクリングしたかったのである。

 

あいかわらずPTAだの子供育成会だの保護者会だのは忙しかったが、辛くはなかった。ようやく私の生活に『趣味』が入ってきたからかもしれない。

 

翌年は次男と片道35㎞離れたキャンプ場にキャンプツーリングに出かけた。そういえば楽しかったのか辛かったのか8年間聞いたことはなかったけど、ちょっと聞きづらいな。

辛かったんじゃないかな

 

7年前 長男14歳次男11歳長女10歳

育児と仕事と家事とPTAと育成会と学童保育の保護者会に加えて、長男の部活の送り迎えなどが入ってきてますます忙しくなってきた。

忙しいのは忙しいんだけど職場関係の人にすすめられてブルベをはじめたり、ツイッターをはじめてみたりで行動範囲と交友範囲がちょっと異常味を帯びてきた。

はじめての400ブルベ

妻と長男とサイクリングイベントにも出てみた。山形のツールドさくらんぼとツールド・ラ・フランスだ。

妻は霊峰葉山を登りながら「口の中が血の味がする」と言って、それ以降サイクリングイベントには参加してくれなくなった。ちょっとやりすぎたようだ。でもいまでもローラー台は継続しているのでそんなにイヤじゃなかったのかもしれない。

長男も11月のどしゃ降りが寒すぎたみたいで、それ以降サイクリングイベントには参加してくれなくなった。ちょっとやりすぎたようだ。でもいまでも通学にロードバイクを使っているのでそんなにイヤでもなかったのかもしれない。

 

学童保育のイベントで小学生たちをサイクリングに連れて行くのも毎年恒例となった。みんな喜んでいてくれたみたいだ。

 

いつしか生活の中心に『趣味』がいていいことになって、寝食を自転車と過ごしてもいいことになってきた。子どもたちが親離れしてきたのである。

いっしょにお風呂入るの図

いっしょにネムネムの図

 

現在 長男21歳次男18歳長女17歳

そんなこんなであっという間に時は過ぎ、長男は家を離れ北海道の大学に進学した。キャンプツーリングがしたいというので、北海道の自転車屋さんでPolygonのロードバイクを買ってあげたが3年たってもまだ出発していないみたいだ。

次男は歩いていける高校に進学したが、たまにビアンキのロードバイクに乗って塾へ行っているみたいだ。

長女は一番真面目に自転車通学しているがロードバイクは恥ずかしいみたいでブリヂストンのママチャリで通学している。こっそりとローラーブレーキをハイパーローラーブレーキに換装しているのはナイショだ。

 

ブログを書いていると昔の記憶が徐々に蘇ってきたが、長男が産まれて2~3年は本当に精神状態がギリギリだったと思う。超長期連載『クッキングパパ』でいつも明るい荒岩虹子さん(クッキングパパの奥さん)が赤ちゃんの泣き声に疲れ果てて、窓から赤ちゃんを投げようとしたけど隣の家から流れてきたピアノの調べに正気をとりもどし「虐待をするしないの境目ってホントふとしたことなのよ」(意訳)と述懐するというエピソードがあるのだが、読んだときには腹の底から同意したものだった。窓から長男を投げなくて本当に良かった。

 

今年はとても嬉しいこともあった。私は大学時代にマジックザギャザリング(MtG)というトレーディングカードゲームにはまっていたのだが、生活環境が変わり25年くらいは紙で遊ぶことが無くなっていて、オンラインゲームでちょっと遊ぶくらいだった。

が、子どものころにちょっとだけ遊んだことがある長男が北海道の学友に誘われてMtGをはじめたというのだ。それを聞いた私も紙で復帰することを決め、いまではカードショップのイベントに参加するようになり、長男が山形に帰省したときには一緒にショップの大会に出るようにまでなってきた。子どものおかげでどんどん趣味が拡がり生活が豊かになるのが実感できる一年だった。

 

いま育児真っ最中の君はSNSを見るたびに「こいつらいっつも自由に遊んでいるな」とか「独身貴族は金の心配しなくてうらやましいな」とか悪態をつきたくなる毎日だと思う。

わかるよ。

私は一番大変な時にSNSやっていなくて本当に良かったと心から思うよ。

私が君に約束できるのは「あのとき苦労して良かった。本当に良かった」と思えるときは必ずくるということだけだよ。

そのときは絶対に来る。それだけは約束できるよ。

 

すべての子育てサイクリストに幸あらんことを!!

 

 

(おしまい)

 

 

 

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