くろみつ劇場

※ じてんしゃぬまのなかにいる ※

やってみよう!はじめての1000㎞ブルベ その5   ~ブルーフォレスト物語編~

今まで鍛え上げたこの腕(かいな)。どこまで通用するのか試してみたいであります!

(どちらかというと、腕より脚のほうが大事なのでは…?)

こうしてランドヌール宮城の「BRM713女川龍飛1000」に参加した4人だが、しょっぱなから悪戦苦闘していた!

 

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左から猛将、公主、軍師、未開のTwitter民

 

 

1  Dungeons&Dragons ダンジョンズ&ドラゴンズ

 

しかし、100人も参加しているはずなのに、なかなか路上で他の人に会わないわねー

…ドコニ…隠レテイルノダ…

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わけいってもわけいっても山の中でひとり



これはランドヌールの生態によるものじゃな

と、いいますと?

ランドヌールの生態。
ランドヌールは道路の上で生きる生き物だけど、警戒心が強いので、なかなか道路では見かけないぞ。
甘いものが好きだからよくコンビニに集まってくるぞ。よくコンビニでひっくり返ったランドヌールを見かけるけど、これは仮死状態のランドヌールなので触らないでいてあげようね

夏休みの自由研究にピッタリ―!


2 ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード


さて、高級感漂うバス停で30分くらい休憩したら、体が非常に冷えてしまいました。少し強めに回して『体あったまれー』と念をこめます。
しかしながら、昨日の夜からの霧がずっと続いていて、どこか不思議な世界に迷い込んだかのようです。しばらくなにも考えずにペダルを回します。

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霧の中の不思議な世界

2019.7.14 05:00 累計340㎞ スタートから19時間経過
通過チェック『ファミリーマート久慈北インター前点』 貯金3.5時間
ここまできたら、次のPCまでのあと60㎞はフラットな区間なはずなので安心です。(1時間後ワナであることが判明。海岸線のこまかいアップダウンに削られます。ルートラボの高低差はこれぐらいの長距離になるとアップダウンが平坦に見えますね)

朝なのでフレームポンプで空気を詰めます。

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朝の空気詰め



やはりこいつは、いくら疲労していようとポンピングが苦になりません。超々距離ブルベにもってこいだと思います。

 

また、こちらのコンビニでは港町らしく『テムレス』とその仲間たちのラインナップが充実していました。

 

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テムレスとその仲間たち



 

久慈市を通過したら海岸線をひたすら北西に走ります。

 

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霧の中のネコチャーン


長かった岩手県もようやく抜けて、いよいよ青森県へと入るのでした。


3 METAL HEADメタルヘッド


「八戸に行ったらお風呂。八戸に行ったらお風呂」と心のなかでつぶやきながら(声にでてたかも)息も絶え絶えに走り続けます。

海沿いの植物は内陸育ちには珍しくておもわずパシャリ。

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ハマナスの花

2019.7.14 08:00 累計388㎞ スタートから22時間経過
通過チェック『蕪島神社』 貯金4時間

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蕪島神社再建中

2011年の東日本大震災でも被害を免れた社殿でしたが、不幸にも2015年に火災により焼失してしまい、現在は再建中です。
名前のとおり、もともとは島だったのですが1942年に海軍の埋め立て工事により陸続きになったそうです。なにそれすごい。

ウミネコの繁殖地として天然記念物に指定されており、いつウンがつくか気が気でありませんでした。

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ウミネコチャーン。蕪島神社は金運の神社なので、まさにウンがつく

まあ、ウンはつかなかったのですが、このことが吉とでるか凶とでるか…

 

2019.7.14 08:50 累計400㎞ スタートから23.5時間経過
PC2 『ファミリーマート八戸卸センター店』 貯金3.9時間

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八戸は工業の町



レシートだけもらったら、温泉温泉!とスキップしながらPCのすぐおとなりの『はちのへゆーゆらんど新八温泉』へ駆け込みます。

こちらは1300円で超快適なリラックスルームが使えるのだ!お風呂で汗を流したら、よし2時間くらい寝るぞ……ZZZ

30分でパチッと目が覚めてしまいました。アルレェェェ???
あまりにも目覚めがよすぎるでしょう。もう一度寝ようと思ったのですが、妙に目が冴えてしまって眠れません。

しょうがないので、支度をして先にすすむことにします。大丈夫なのか?

ふとTwitterをひらいたら、本州一周TTなどで著名なランドヌールである ふぃりりん殿下 さんがとても美味しそうな海鮮丼の画像を!ついつい誘われるように、通称『八戸のうまいもんがみんな揃う!八食センター』へ吸いこまれていきます。

巨大な『八食センター』ですが本当にオススメなのは『七厘村』!
なんでも売っている市場から、ホタテ貝やらホッケやら海老やら田子牛やら買ってきて、炭火であぶって、アチアチハフハフいいながらビールで流し込む!
どんぶりにご飯をよそってもらったら、市場をウロウロして刺身のいいところを買ってきて、オーダーメイド海鮮丼をこしらえたら、醤油をぐるっとまわしてかきこむ!

八食センターホームページ
https://www.849net.com/

まさにこの世の極楽浄土が顕在するのですが、残念ながら本日は時間もないため、できあいの海鮮丼で我慢します。

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海鮮どーん



我慢なんていってすみませんでした。非常においしかったです。
(´ω`)


4 混沌の渦 

 

この1000㎞のコースは400㎞ブルベと600㎞ブルベが合体してできたコースなのですが、いよいよ後半戦の600㎞コースに入ります。
ただ、本来の600㎞のコースの逆回りとなっているので、最後の100㎞で1000mアップくらい登らなくてはいけない『フラット』仕様となっております。
(ランドヌール宮城用語。そこそこ登りますよの意味)

PC2を出て、20㎞も走れば早くも通過チェックです。

 

2019.07.14 12:00 累計420㎞
通過チェック『ローソン六戸バイパス店』 貯金2時間 スタートから26時間経過

さほど疲れてもいないので、ザバスミルクヨーグルトだけ購入して、先を急ぎます。

しかしながら二日目もいい天気です。

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二日目も素晴らしい天気!

 

超長距離ブルベ初心者にとっては最高のコンディションですね。

ただ路面の状態が非常に悪く、山形あたりよりも北東北の冬場の寒さは、なお厳しいんだろうなと想像しました。
(冬場、道路にしみ込んだ水分が凍結して、体積を増しアスファルトを破壊。破壊したところにまた水分がしみ込み…を繰り返して道路が荒れていきます)

 

2019.07.14 14:45 累計462㎞
通過チェック『ローソン野辺地高校前店』 貯金2時間 スタートから28時間45分経過

全然貯金が増えませんが、ブルベのルールでは600㎞までは時速15㎞ペースで設定されていて、それ以降は時速11.4㎞ペースに緩和されるので、600㎞まで頑張ると、ちょっと余裕が出るはずです。
しかも今回のコースは510㎞地点のPC3を乗りきればその後は通過チェックのため、600㎞までいかなくてもひと息つけるはずです。

そろそろ、自転車をこぎだして29時間になろうとしていますが、その間の睡眠時間は1時間。まずい状況ですが、青森市内に予約したホテルまでがんばります。

 

2019.07.14 18:00 累計510㎞
PC3 『ファミリーマート青森油川店』 貯金2時間 スタートから32時間経過

なんとかPC3についたー。ブルベ半分終わったー。
疲労の極致ですが、問題は予約したホテルが市の中心部近くのため、ここから5㎞ほど戻らなくてはならないことです。
泣きそうになりながら来た道を戻っていると、道中顔見知りになったランドヌールさんたちから「どうしたんですかー?」とか声をかけていただきます。
説明すると泣きそうになるので「ちょっと忘れ物を…」とか言いながら、ようやくホテルにチェックインしました。

ホテルにはおやつカルパスの箱が届いています!

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おやつカルパス!

 

開けると差し入れが!…いや自分で準備したドロップバックですけど。

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ドロップバック

リアライトなどの電池を交換して、充電祭りです。
Etrex30は…お、電池がまるで減っていないではないですか。リチウム電池は優秀だな!これならば最後まで持つだろうから、予備の電池はもっていかなくていいか。

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電池が減っていないetrex30



(もちろんワナです。のちほどわかったのですが、電池タイプを『リチウム電池』にしないと正しく電池残量が反映されないみたいでした。夜中の山奥で急に電源落ちて混乱することに…)

しみじみと痛む左ひざにフェイタスを貼って、新しいジャージにも着替えて気分一新!
今19時か、さあ2時間寝るぞ……zzz

がばっと起きて、時計を見ると50分。よし目覚まし時計に10分勝った。
ある程度準備は終わっていたので、チェックアウトして出発するだけです。
ホテルのフロントで受付をしているときになんだか違和感。時計が20:00…?
アルレェェ?2時間寝るつもりが50分しか寝ていない!?大丈夫なのかこれ?

しょうがないので走りはじめて、PC3まで戻ってきました。


5  Call of Cthulhu クトゥルフの呼び声

 

2019.07.14 21:00 累計510㎞
PC3 『ファミリーマート青森油川店』 借金1時間 スタートから35時間経過

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借金1時間から仕切り直しだ



どーんどーんと花火の音がするなか、津軽半島最北端の龍飛崎を目指しリスタートします。

街中を離れるにつれて、霧雨のようなものがだんだんと強くなってきました。体温を落とさないようにいそいそとレインウェアを準備します。

さきほどから不思議に思っているのが、龍飛崎方面から反射ベスト、頭にヘッドライトとまるで我々のようないでたちの方々が何十人も前方から(二本の足で)走ってくることです。
あとから調べたら263㎞も走る『みちのく津軽ジャーニーラン』というウルトラマラソンの参加者だったみたいです。世の中こんな長距離を走ろうというもの好きも多いものですね(ブーメラン)

なんとなくすれ違うたび元気になって、一路海岸線をひた走ります。
が、気持ちは元気でも体がついていかない。痛みが増してきた左ひざをかばいつつ、なんとかかんとか海岸線のアップダウンに耐えていきます。

 

2019.7.15 01:50 累計583㎞
通過チェック『龍飛崎。津軽海峡冬景色・歌謡碑』 借金1時間 スタートから40時間経過

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津軽海峡冬景色・歌謡碑



おまえに会いに来たんだよ……

暴風が吹き荒れる中(このあたりは一年中暴風の時が多いらしいです)歌謡碑にたどり着きました。なんとボタンを押すと大音響で石川さゆりさんが津軽海峡冬景色の二番を歌い始めるというギミックつき。

写真を撮っているとシティサイクルなランドヌールが近づいてきました。聞くところによると、スマホを失くして龍泊ラインを何往復もしているとのこと。え?獲得標高何千mよそれ?シティサイクルで?
(その後スマホは警察に届けられていたそうです)

 

さて、龍泊ラインで真夜中の暴風の中のヒルクライム&ダウンヒルスタートです。
このころになると、はっきりと左ひざが痛くなってきたのですが、急勾配すぎてかばいながら登るなんてことはできません。


死力をふりしぼりなんとかパスすると、今度は恐怖のダウンヒルです。

風で、バイクが、飛ばされる!
カーブのRがきつくて、ヘッドライトが頼り!
怖くて下ハンがにぎれない!
握力がなくなっていく~!!!
頼むからもう少し風弱まって~~~!!!

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恐怖のダウンヒル

無事に朝日が拝めるのかな……

 

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今回の行程



(続く)

 

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